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日本の子ども向けOTC薬ガイド — 発熱・風邪・虫刺され・かぶれ・整腸

子どもの発熱・風邪・かゆみ・かぶれ・下痢に使える日本のOTC薬を、薬剤師が現場目線で整理。アスピリン禁忌、年齢制限、選び方、受診すべきサインまで。

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さくら(日本の薬剤師)
公開日 2026-05-04

日本の子ども向けOTC薬ガイド — 発熱・風邪・虫刺され・かぶれ・整腸

「うちの子が熱を出した。日本のドラッグストアで買えるTylenolはどれ?」

「子どもにも飲ませていい風邪薬って、どれを選んだらいい?」

「ムヒって赤ちゃんに使っていいの?」

小児科の処方を扱う薬局のカウンターで、外国人のお父さん・お母さんから本当によく聞かれる質問です。

日本のOTCには 子ども専用のラインナップ がしっかりあります。でも、大人用と同じブランド名なのに中身が全く違う製品があったり、年齢制限が製品ごとに違ったり、選ぶ時に注意が必要です。

この記事で、症状別にまとめます。

早見表:症状とおすすめタイプ

症状 おすすめ成分・薬 代表的な製品
発熱・痛み アセトアミノフェン 小児用バファリンCII、こどもパブロン坐薬、アンヒバ坐剤(医療用)
風邪症状(鼻水・咳・熱) 小児用総合感冒薬 小児用パブロン、パブロンキッズかぜシロップ
虫刺され(赤ちゃん) 抗ヒスタミン外用 ムヒ・ベビー、桃の葉ローション
虫刺され(幼児以上) ステロイド外用または抗ヒスタミン 新ウナコーワクール、ムヒS
かぶれ・湿疹・おむつかぶれ 弱いステロイドまたは保湿剤 ポリベビー、ベビーワセリン
整腸・下痢 乳酸菌(ビオフェルミン系) 新ビオフェルミンS細粒、ビオスリーH
切り傷・すり傷 消毒・湿潤療法 マキロンS、キズパワーパッド

⚠ 1. 必読:子どもにアスピリンは絶対NG(ライ症候群)

日本にはじめて来たお父さん・お母さんに 必ず最初に伝えてほしい話 があります。

ライ症候群とは

15歳未満の子どもが、ウイルス感染症(インフルエンザ・水痘・風邪など)の時にアスピリンを飲むと、まれに重篤な脳症・肝障害(ライ症候群)を起こす ことが知られています。日本でもアメリカでも、小児へのアスピリン使用は原則として禁忌です。

紛らわしい商品名に注意

ドラッグストアで特に間違いやすいのが 「バファリン」シリーズ です。

製品名 主成分 子どもOK?
バファリンA(大人用) アスピリン + ジヒドロキシアルミニウムアミノアセテート ❌ 15歳未満NG
小児用バファリンCII アセトアミノフェン ✅ 3歳から
小児用バファリンチュアブル アセトアミノフェン ✅ 3歳から

「バファリン」=「子どもOK」ではありません。必ずパッケージで「小児用」と「成分名」を確認してください。子ども用は中身がアセトアミノフェンに変更されており、大人用のアスピリンとは全く別の薬です。

2. 発熱・痛み:アセトアミノフェン一択

子どもの解熱・鎮痛は、アセトアミノフェン(米Tylenol、日カロナール) が世界的な第一選択です。詳しくは「タイレノール=カロナール?」の記事を参照。

OTCで買える子ども用アセトアミノフェン

  • 小児用バファリンCII:3歳から。錠剤
  • 小児用バファリンチュアブル:3歳から。噛んで飲める
  • こどもパブロン坐薬:1歳から。坐薬タイプ
  • PL顆粒:処方薬。OTCにはない

用量はパッケージに従う

子どもの解熱剤は 体重と年齢で用量が変わるので、必ずパッケージの用法を守ってください。「大人用を半分に割って飲ませる」は危険です。製品によって配合量が違うので、子ども用として承認された製品を選ぶのが原則です。

NSAIDs(イブプロフェン・ロキソプロフェン)はOTCで子ども用なし

日本のOTCには イブプロフェンやロキソプロフェンの子ども用製剤はありません。米国でいうChildren's Motrin(イブプロフェン小児用シロップ)は日本のOTC市場には存在しないので、解熱には素直にアセトアミノフェンを選んでください。

3. 風邪症状:年齢制限を確認

小児用総合感冒薬

製品名 対象年齢 タイプ
パブロンキッズかぜ微粒 1〜11歳 微粒
パブロンキッズかぜシロップ 3ヶ月〜7歳 シロップ
こどもパブロン錠 5〜15歳 錠剤

注意:咳止め成分の年齢制限

特に コデイン類(コデイン、ジヒドロコデイン)を含む咳止めは、12歳未満には使用しない よう厚生労働省が2019年から販売規制をしています。子ども用咳止めを選ぶ時は、コデインを含まないことをパッケージで確認してください。

風邪薬全般の選び方

風邪薬の基本的な選び方は「日本の風邪薬完全ガイド」を参照。子どもの場合は 「症状が重なる総合感冒薬」より、「熱だけ」「咳だけ」と単剤で攻める方が安全です。

4. 鼻水・アレルギー

子ども用OTC抗ヒスタミン薬は限られています。

  • アレグラFXジュニア:7〜14歳向け、第2世代抗ヒスタミン
  • アレグラFX/アレジオン20:15歳以上のみ、子ども用OTCなし
  • ムヒAZ錠:「ムヒ」の名前ですが 15歳以上のみ で小児には使えません。ムヒ=子どもOKの先入観に注意

花粉症の選び方は「日本で買える花粉症薬」を参照。鼻水が続く・呼吸が苦しそうな場合は迷わず小児科 が原則です。

5. 虫刺され・かゆみ止め

日本の夏は蚊が多く、子ども用かゆみ止めは需要が高いカテゴリーです。

製品 対象年齢 特徴
ムヒ・ベビー(クリーム) 生後1ヶ月から ステロイドなし、抗ヒスタミン
ムヒ・ベビー(液体) 生後3ヶ月から ステロイドなし、抗ヒスタミン
新ウナコーワクール 年齢制限の記載なし 液体タイプ、清涼感あり
ムヒS 制限なし(乳児は使用前に医師相談) 抗ヒスタミン+局所麻酔
ムヒアルファEX 生後6ヶ月から ステロイド入り(プレドニゾロン酢酸エステル)、強めのかゆみ・腫れに

赤ちゃん(生後1ヶ月未満)への使用や、目の周り・口の中・広範囲への塗布は避けてください。蚊に刺されて腫れが大きい・発熱がある場合は皮膚科または小児科へ。

6. かぶれ・湿疹・おむつかぶれ

赤ちゃんのおむつかぶれ・乳児湿疹は、まず 保湿と清潔 が基本です。

OTCで使える子ども用外用薬

  • ベビーワセリン:保湿・保護のみ。年齢制限なし
  • ポリベビー:軽いおむつかぶれ・あせも。生後3ヶ月から
  • ロコイダンクリーム(OTC):軽いステロイド。広範囲・長期使用は避ける

ステロイドはOTCでも強さの段階があります。子どもには マイルド〜ウィーク に該当する製品を選び、顔・陰部への使用は短期間に限ります。判断に迷ったら皮膚科を受診してください。

7. 整腸・下痢・便秘

整腸薬(乳酸菌)

  • 新ビオフェルミンS細粒:生後3ヶ月から
  • ビオスリーH:3ヶ月から
  • ザ・ガード コーワ整腸錠:5歳から

下痢止め(ロペラミドはNG)

子どもの下痢には ロペラミド(米Imodium)配合の止瀉薬は使わない ことが原則です。日本の ストッパ下痢止めEX などはロペラミドではないものの、子どもには適応外。

下痢が続く場合は 経口補水液(OS-1、アクアライトなど)で水分・電解質補給 を最優先し、ぐったりしている・血便・高熱がある場合は迷わず小児科へ。

詳しくは「日本の胃腸薬ガイド」を参照。

8. 切り傷・すり傷・やけど

消毒・湿潤療法

  • マキロンS:年齢制限なし。傷口の洗浄
  • キズパワーパッド:湿潤療法、子どもOK
  • オロナインH軟膏:軽い切り傷・あせも。年齢制限なし

やけど

軽いやけどは すぐに流水で15〜20分冷やす のが鉄則。OTC薬で済ませるより、水ぶくれができた・広範囲・顔・関節のやけどは皮膚科または救急へ。

夜間・休日の判断に迷ったら「#7119(救急安心センター)」に電話してください。

9. ⚠ 子どもには使えない・使わない大人用薬

念のためまとめておきます。

大人用OTC 子どもへの使用
バファリンA ❌ アスピリン → ライ症候群リスク
ロキソニンS(内服)/テープ/パップ/ゲル ❌ 15歳未満禁忌
ボルタレンEX、フェイタス ❌ 15歳未満禁忌
ガスター10 ❌ 15歳未満禁忌
イブ/イブクイック ❌ 15歳未満禁忌(イブプロフェン)
大人用パブロン・ベンザブロック・ルル ❌ 多くは15歳未満禁忌(成分による)

「年齢制限なし」と書かれていない製品は、原則として 大人用=15歳以上 と考えるのが安全です。

10. 受診すべきサイン

OTCで様子を見ず、必ず医療機関を受診してください:

  • 生後3ヶ月未満の発熱(38℃以上)
  • 3ヶ月〜3歳で38.5℃以上が48時間以上続く
  • ぐったりしている・水分が取れない・尿が極端に減った
  • けいれんを起こした
  • 呼吸が苦しそう・ヒューヒュー音がする
  • 嘔吐を繰り返して止まらない
  • 血便・タール便
  • 発熱+発疹(特に首の硬さを伴う場合は緊急)
  • 頭を強く打った後の嘔吐・意識混濁

夜間・休日は#7119 または #8000(小児救急電話相談) で看護師に相談してから受診判断ができます。日本の医療制度は「病院のかかり方ガイド」も参考にしてください。

出典

  • 独立行政法人 医薬品医療機器総合機構(PMDA)添付文書情報
  • 厚生労働省「コデインを含む医薬品の小児への使用について」(2019年)
  • 厚生労働省 #7119、#8000 案内ページ
  • ライオン株式会社 公式製品情報(小児用バファリン)
  • 大正製薬 公式製品情報(パブロン子ども用シリーズ)
  • 池田模範堂 公式製品情報(ムヒ・ベビー、ムヒS)
  • 大正製薬 公式製品情報(新ビオフェルミンS)
  • 日本小児科学会「子どもの発熱に関する一般向け情報」

免責事項:本記事は情報提供を目的としたものであり、医学的助言に代わるものではありません。子どもの症状は大人より急変しやすく、判断に迷う場合は迷わず小児科または#7119/#8000にご相談ください。

著者について

🌸
さくら
日本の薬剤師(Licensed Pharmacist, Japan)

薬学部卒。臨床経験13年以上(病院薬剤師2年、調剤薬局11年:面分業薬局・小児科門前薬局・在宅医療を経験)。現在も調剤薬局に勤務しながら、副業として医療系の記事執筆を2年ほど続けています。本サイト「AskJapanPharmacist」は、日本のOTC薬・薬局情報を海外の読者にも届けたいと、新たに立ち上げたプロジェクトです。

得意分野: OTC医薬品の選び方/処方薬の患者向け解説/小児・在宅医療現場の実務知見

編集ワークフロー

本ブログのすべての記事は、日本の薬剤師「さくら」が執筆・確認しています。英語版・簡体字中国語版は、AI翻訳支援ツールで一次原稿を作成し、公開前に薬剤師本人が内容を確認しています。薬機法・PMDA情報との整合性チェックもAI支援を活用し、最終責任は薬剤師本人が負っています。