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日本の湿布・貼り薬ガイド — サロンパス・フェイタス・ロキソニンテープの違い

肩こり・腰痛・筋肉痛に貼る湿布。温感/冷感、第2類/第1類、サロンパス・フェイタス・バンテリン・ロキソニンテープ……どれを選ぶ?薬剤師が成分・違い・注意点まで整理。

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さくら(日本の薬剤師)
公開日 2026-05-02

日本の湿布・貼り薬ガイド — サロンパス・フェイタス・ロキソニンテープの違い

「日本に来てから腰が痛い。サロンパスってアメリカで売ってるやつと同じ?」

「ロキソニンの貼り薬って薬局で買える?」

「温感と冷感、どっちを買えばいい?」

薬局カウンターでよく聞かれる質問です。

日本のドラッグストアには OTCの湿布・貼り薬が30種類以上 並びます。海外より種類豊富で、ブランドも成分も多種多様。この記事で症状別に整理します。

早見表:症状とおすすめタイプ

症状 おすすめ成分 代表的な製品
軽い肩こり・打ち身 サリチル酸メチル+メントール サロンパス、サロンパスEX
筋肉痛・関節痛 フェルビナク フェイタス、サロンパスEX、ハリックス55
強めの腰痛・肩痛 インドメタシン バンテリン、サロメチール
しっかり効かせたい痛み ロキソプロフェン ロキソニンSテープ/パップ(第2類
関節の腫れ・痛み ジクロフェナク ボルタレンEX(第2類)

OTC分類によって販売可能な店舗・時間帯が異なります(第1類は薬剤師の対応が必須)。詳しくは日本の薬局の種類ガイドを参照。

1. 湿布と貼り薬の違い

日本では「湿布」という言葉が広く使われますが、厳密には 2つのタイプ があります。

パップ剤(湿布)

  • 水分を多く含むジェル状の貼付剤
  • 冷感・温感タイプがあり、貼った直後に体感的な刺激を与えやすい
  • 厚みがあり、関節や広い面に貼りやすい
  • 例:サロンパスAe、新サロンパス、温シップ

テープ剤(貼り薬)

  • 薄くて伸縮性のあるテープ状
  • ピタッと密着し、動いてもはがれにくい
  • 関節・指など曲がる部位向け
  • 例:フェイタスZα、ロキソニンSテープ、バンテリンコーワパップS テープタイプ

「冷感/温感」と「効く成分」は別物です。冷感だから効く、温感だから効くというわけではなく、使用感の好みで選んでOKです。

2. 主要OTC成分と特徴

① サリチル酸メチル+メントール(昔ながらの湿布)

代表:サロンパス、新サロンパス

  • 海外でも有名な「Salonpas」
  • 軽度の肩こり・打ち身・筋肉疲労向け
  • メントールの清涼感で「効いている感じ」を出す
  • 第3類医薬品 が中心、薬剤師不在でも購入可能

② フェルビナク(中強度のNSAIDs)

代表:フェイタスZα、サロンパスEX、ハリックス55EX

  • フェニル酢酸系の非ステロイド性消炎鎮痛成分
  • 中等度の筋肉痛・関節痛向け
  • 第2類医薬品

③ インドメタシン(しっかり効くNSAIDs)

代表:バンテリンコーワパップS、サロメチールIDα

  • 強めの抗炎症作用
  • 腰痛・肩こり・関節痛にしっかり効かせたい時向け
  • 第2類医薬品

④ ロキソプロフェン(経口薬と同じ成分)

代表:ロキソニンSテープ/パップ/ゲル

  • 経口のロキソニンSと同じロキソプロフェンを外用化
  • 経皮吸収で局所に効かせる設計
  • 第2類医薬品(製造販売後調査期間を経て第1類から再分類済み)— 登録販売者がいれば購入可能

⑤ ジクロフェナク(強力なNSAIDs)

代表:ボルタレンEXテープ/ローション、フェイタスZジクサスシップ

  • 海外では処方薬としても有名(Voltaren)
  • 関節炎・腱鞘炎・強めの筋肉痛向け
  • 第2類医薬品

3. 温感 vs 冷感、どっちを選ぶ?

「貼った瞬間の体感」と「効く・効かない」は別物です。

冷感タイプ

  • メントールやハッカ油でひんやり感
  • 急性期(ぶつけた直後・運動後の炎症)に好まれる
  • 例:サロンパス系、フェイタスシリーズ

温感タイプ

  • カプサイシン(唐辛子由来)や生姜エキスで温感
  • 慢性的な肩こり・冷えからくる腰痛に好まれる
  • 例:温感サロンパス、バンテリン温シップ

医学的には急性炎症には冷却、慢性は温熱が一般的な目安ですが、現場では本人が心地よく感じるほうを使う、で構わないことが多いです。

4. 必読:ケトプロフェン製剤の光線過敏症

処方薬の「モーラステープ」「セルタッチパップ」(成分:ケトプロフェン) には特有の重要な注意があります。

光線過敏症(ひかりかびんしょう)とは

  • 貼ったあと、紫外線にあたると 強いかぶれ・水ぶくれ・炎症 を起こす副作用
  • 貼っている間だけでなく、剥がしてから4週間程度は注意が必要
  • 海・プール・スキー場・サイクリング・テニスなど屋外活動で発症しやすい

注意点

  • 貼った部位は 衣服・サポーター等で完全に遮光
  • 剥がした後も 少なくとも4週間 は同じ部位の紫外線対策を続ける
  • ケトプロフェンは現在 OTCには含まれていません(過去にOTC化されたが副作用報告を受け2010年に販売中止)

OTCで「強めの貼り薬」を選ぶ場合も、フェルビナク・インドメタシン等で 接触皮膚炎・光線過敏症の傾向 が出る方は使用を中止し医師に相談してください。

5. 正しい貼り方

意外と知られていない貼付のコツ:

  1. 皮膚を清潔に・乾いた状態で貼る(汗・ローションは拭き取る)
  2. 入浴30分前 にははがす(湯あたりで浮きやすい・成分が浮く)
  3. 同じ部位に長時間貼り続けない(接触皮膚炎の原因)
  4. 毛深い部位は剥がす時痛い ので、毛流れに沿って剥がす
  5. 冷蔵庫保管はNG(冷やしすぎると粘着力が落ちる)

1日1回タイプと1日2回タイプ があるので、パッケージの用法を必ず確認してください。

6. 第1類と第2類の違いをパッケージで確認

分類 主な特徴 代表例(外用消炎鎮痛薬)
第1類 薬剤師の対応が必須/薬剤師が在籍する時間帯のみ購入可 現状、外用消炎鎮痛薬の主要OTCに該当製品はほぼなし(新発売直後の指定品のみ)
第2類(指定第2類含む) 登録販売者でも販売可 ロキソニンSテープ/パップ/ゲル、フェイタスZα、バンテリンコーワパップS、ボルタレンEX
第3類 比較的リスクが低く一般販売可 サロンパス(旧来タイプ)

強い成分ほど分類が上になるとは限りません。同じ成分でも、新発売直後(製造販売後調査期間中)は第1類、その後第2類に再分類されることがあります。製品ごとに分類が違うので、必ずパッケージで確認してください。

7. よくある質問

Q. 海外のサロンパスと日本のサロンパスは同じ? A. 海外で売られている Salonpas(Hisamitsu Pharmaceutical 製)は基本的に同じブランドですが、国によって配合量・成分・規制カテゴリーが異なることがあります。日本国内向けのほうが種類は豊富です。

Q. ロキソニンの貼り薬は経口より副作用が少ない? A. 経皮吸収のため、経口より全身副作用は出にくいとされていますが、ゼロではありません。広範囲・長期間の使用や、ぜんそくの方は注意が必要です。気になる症状が出たら医師・薬剤師に相談してください。

Q. 妊娠中・授乳中に貼ってもいい? A. NSAIDsを含む貼り薬は、特に 妊娠後期は使用を避ける のが原則です(経口でも外用でも)。妊娠中・授乳中は 必ず医師・薬剤師に相談してから 使用してください。

Q. 子どもに貼っていい? A. 製品によって対象年齢が異なります。一般的に 15歳未満は使用しない とされる製品が多く、特にロキソニン・ジクロフェナク系はOTCでも年齢制限があります。子どもの痛みは自己判断せず小児科を受診してください。

Q. お風呂の前後はどれくらい空ける? A. 入浴の30分前にはがし、入浴後は皮膚の赤みが落ち着いてから(30分〜1時間後を目安に)貼るのが基本です。

Q. かぶれてしまったらどうする? A. すぐにはがし、石けんで洗い流して 様子を見てください。水ぶくれ・強いかゆみ・色素沈着 があれば皮膚科を受診。同じ製品の再使用は避けます。

8. 受診を検討すべきサイン

OTCの湿布・貼り薬で様子を見ず、医療機関を受診すべきケース:

  • 痛みが1週間以上続く、悪化していく
  • しびれ・脱力・歩行困難 を伴う(神経症状の可能性)
  • 発熱・腫れ・赤み を伴う関節痛
  • 打撲後の強い痛みが引かない(骨折の可能性)
  • 同じ部位の 慢性的な痛みが3か月以上続く
  • 貼り薬で 強いかぶれ・水ぶくれ が出た

整形外科または受診歴のあるかかりつけ医に相談してください。

出典

  • 厚生労働省「一般用医薬品のリスク区分」
  • 独立行政法人 医薬品医療機器総合機構(PMDA)添付文書情報
  • 久光製薬 公式製品情報(サロンパス)
  • 第一三共ヘルスケア 公式製品情報(ロキソニンS外用シリーズ)
  • ライオン株式会社 公式製品情報(バファリン外用、ハリックス)
  • 興和株式会社 公式製品情報(バンテリンコーワ)
  • 厚生労働省「ケトプロフェン外用剤による光線過敏症について」

免責事項:本記事は情報提供を目的としたものであり、医学的助言に代わるものではありません。症状が長引く場合・貼り薬で副作用が出た場合は、必ず薬剤師または医師にご相談ください。

著者について

🌸
さくら
日本の薬剤師(Licensed Pharmacist, Japan)

薬学部卒。臨床経験13年以上(病院薬剤師2年、調剤薬局11年:面分業薬局・小児科門前薬局・在宅医療を経験)。現在も調剤薬局に勤務しながら、副業として医療系の記事執筆を2年ほど続けています。本サイト「AskJapanPharmacist」は、日本のOTC薬・薬局情報を海外の読者にも届けたいと、新たに立ち上げたプロジェクトです。

得意分野: OTC医薬品の選び方/処方薬の患者向け解説/小児・在宅医療現場の実務知見

編集ワークフロー

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